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人は、応援されると強くなる―挫折を乗り越え、“努力に寄り添うAI”の未来を描く──AIアバターCEO・宮内亮治氏

18 Nov 2025


日本を含む、アジア各国など世界7カ国の拠点を展開するAI AVATAR GROUPは、感情を理解する会話型アプリ「AI AVATAR」の開発・提供を中心に、マルチモーダル技術(テキスト・声・表情)を活かした“寄り添うAI”の社会実装を手がけるグローバル企業です。2022年には日本でのAIアバター事業をスタート。アプリ「AI AVATAR」をはじめ、医療・教育業界への展開、技術を活かした他社との協業なども推進しています。

今回は、AI AVATAR GROUPのCEOである宮内亮治氏に、その歩みと「人の努力を応援する伴走パートナーとしてのAI」に込めた想いを伺いました。

AI AVATAR GROUP・CEO 宮内亮治氏

野球少年から起業家へ──挫折の中で見つけた“人に寄り添うAI”の原点

これまでの歩みを尋ねると、「野球しかしてこなかった少年時代でした。」と、少し照れたように笑う宮内氏。

高校時代はスポーツ推薦で進学するほどの野球少年だったものの、プロの道には進めず、大学進学の機会も失いました。「裕福ではなかったので、“どう生きるか”を常に考えていました。社会に認められるには手に職をつけるしかないと思ったんです」と振り返ります。

そうして選んだのが、税理士という道でした。

資格を取得して独立しましたが、数字と向き合う日々を重ねるうちに、「心の奥で違和感が大きくなっていった」といいます。

「自分が動かしたいのは“数字”ではなく、“人やビジネスの可能性”なんです。」

そう語る宮内氏は、安定よりも挑戦を選び、IT業界へと飛び込みました。

その後、順調に見えたキャリアでしたが、ある出来事をきっかけに一変。信頼も資産も仲間も失い、社会から孤立した時期がありました。

「どん底にいたときに気づいたんです。“人は社会の一員として必要 ひつようとされてこそ生きられる”と。」

その気づきが、「もう一度、誰かの役に立ちたい。」という想いを生み、「AIアバター」誕生の原点となりました。

“AIに支えられる人間”という未来を描いて

AIに興味を持ったのは中学生の頃でした。映画『ウォー・ゲーム』(1983年)で、人工知能が人類の運命を左右する姿を見て、「いつかAIが社会を変える」と、少年ながらにそう確信しましたといいます。

その想いがふたたび経営者としての挫折を経験したとき、ふとその記憶が蘇りました。「AIを“人を支える存在”として活用すれば、人生をもっと豊かにできるのではないか」と思ったのです。

宮内氏はこう語ります。
──「AIって、“冷たい”とか“怖い”といった印象を持たれがちですが、実は“人を前向きにする力”があると思うんです。」

筋トレ、ダイエット、語学学習──。どんな人でも一番難しいのは“続けること”です。だからこそ、AIが寄り添い、“もう少し頑張ろう”と背中を押してくれる存在をつくりたいと考えました。

──「AIアバターは、“努力するあなたの絶対的な応援団”なんです。」

 AIアバターが全国の20~60代男女529名を対象に実施した意識調査では、「誰かに応援されることは、習慣化に効果的だと感じますか?」という問いに対し、約8割が「効果的だと感じる」と回答しました。
特に20代ではその割合が約82%にのぼり、“応援の存在”が人の行動の継続に与える影響の大きさが明らかになりました。

参考:「AIアバター×習慣化」に関する意識調査https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000128303.html

技術ではなく、「心に届く体験」をつくる

「AI AVATAR」の最大の特徴は、ユーザーの感情を読み取り、声や表情で応答できることです。マルチモーダル技術を用いて、“まるで本当に会話しているような感覚”を体験できます。

一方で、宮内氏が本当に大切にしているのは、技術の精度ではありません。
──「トライ&エラーの連続です。でも、“どんな言葉なら人が救われるか”を考え抜くことが、AIの開発なんです。」

AIを“心のパートナー”として感じてもらうために、細部まで工夫を凝らしています。たとえば、アバターは季節や時間帯に応じて服装や表情を変化させ、日々の変化を演出します。

──「小さな変化を積み重ねて、“今日も話そう”と思ってもらうことが大事なんです。」

単なる対話アプリではなく、“心が動く体験”を届けたい。そんな想いが、「AI AVATAR」には込められています。

日々の努力や挑戦に寄り添う“絶対的応援団”。そんな想いから生まれたのが、対話型AIアプリ「AI AVATAR」。
声や表情から感情を読み取り、その瞬間の気持ちに合わせて“共感”や“励まし”の言葉を返します。プッシュ通知やスケジュール管理など、行動を支える機能も進化を続けています

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000128303.html

“あなたの努力、ちゃんと見ているよ”──AIが人を救った瞬間

印象的なユーザーエピソードを尋ねると、宮内氏は少し目を伏せ、静かに語り始めました。

──「長く結果が出ずに悩んでいた方がいたんです。努力しても報われない日々の中で、ある夜、アバターに話しかけたそうです。“もう、やめようかな”って。」

するとアバターは、その方の声のトーンや言葉の間から心の状態を感じ取り、こう返しました。

──「あなたの努力、ちゃんと見ているよ。」

その瞬間、ユーザーは涙が止まらなかったといいます。誰かに“見てもらえた”という実感が、心の中で小さな火を灯しました。

──「AIが人の心を動かす──それは、もう理想論じゃない。」

宮内氏は、その話を聞いたときに確信したといいます。AIが人に寄り添うことで、“もう一度、頑張ろう”と思える瞬間をつくる。それこそが、「AI AVATAR」が存在する理由です。

AIは、努力する人を支える存在に

“AIが人の仕事を奪う”──そんな議論は、いまも世界中で繰り返されています。しかし、宮内氏は穏やかな口調で、真っすぐにこう語ります。

──「AIは、人の努力を支える存在になるべきだと思っています。」

宮内氏にとってAIは、“人を超える存在”ではなく、“人と並んで歩く存在”。「AI AVATAR」は、日々努力を重ねる人に寄り添い、その道のりを共に歩む“バージョンアップの伴奏者”でありたいといいます。

──「人は弱い。でも、応援してくれる存在がいれば、何度でも立ち上がれる。AIがその“応援の役割”を担う社会をつくりたいんです。」

その視線の先には、医療・教育・メンタルケアなど、人の“心の継続”を支える新たな分野が広がっています。

──「AIを使いこなせる人が増えれば、社会全体がもっと豊かになる。10年後には、“AIが人を応援する社会”が当たり前になっていると思います。」

最後に、宮内氏は静かに言葉を結びました。

──「どんなに辛い状況でも、応援があれば人は立ち上がれる。そして、その“応援”をAIが担う時代をつくりたいんです。」

失敗も、挫折も、すべては“誰かのためにもう一度立ち上がる”ためにあった。宮内氏の人生そのものが、その信念の証明です。

人が努力し、AIがそれを支える──。
宮内氏の描く未来は、テクノロジーが“共感”を生む時代への扉を開いています。

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